宅地建物取引業免許の要件

宅地建物取引業免許の要件には、いくつかあります。

 

 

●商号についての要件

 

以下のような商号でないこと。

・法令上、その商号、名称の使用が禁止されているもの
・地方公共団体または公的機関の名称と紛らわしいもの

「○○公社」や、「○○協会」など
・指定流通機構の名称と紛らわしいもの

「○○流通機構」や「○○住宅センター」など

・変体がなや図形、符号等で判読しにくいもの

・個人業者の場合は、法人と誤認されるおそれのあるもの

 

 

●目的についての要件(会社の場合)

 

法人の場合は、法務局で取得する履歴事項全部証明書に

宅建業を営むことがわかるものが記載されている必要があります。

 

 

●事務所の要件

 

 事務所は、物理的にも社会的にも宅建業務を継続的に行なえる機能をもち、事務所として認識される程度に独立した形態を備えていることが必要です。

 

つまり、一般の戸建の住宅やマンションなどの一部を事務所として使用することや同一フロアに他の法人と同居すること、仮設の建築物を事務所とすることなどは原則として認められていません。

 

※ただし、次のような場合は、事務所として認められる場合があります。

※戸建の住宅の一部を使用する場合
・住宅の出入り口以外に事務所専用の出入り口がある
・他の部屋とは壁で間仕切りされている
・内部が事務所としての形態を整えており、事務所だけに使用している

イメージとしては一戸建ての1階部分が店舗になっているようなケースです。

このケースは意外とあります。

 

 

※同一フロアに他の法人等と同居している事務所の場合
・それぞれの会社がそれぞれに出入り口を持ち、他社を通ることなく出入りができる
・高さ180cm以上のパーテーションなど固定式の間仕切りで独立性が保てている

 

 

●人の要件(専任の取引主任者の設置が必要)

 

 取引主任者とは、宅地建物取引主任者資格試験に合格後、取引主任者資格登録をして、宅建取引主任者証の交付を受けている者のことです。

宅建取引主任者には、事務所ごとに専任の状態で設置しなければならない専任の取引主任者と、それ以外の一般の取引主任者とがあります。

専任の取引主任者でも一般の取引主任者でも重要事項説明をする業務の内容は変わりませんが、専任の取引主任者は一つの事務所に専任でいなければなりません。

 

※「専任」とは?

 事務所に常勤しており、宅建業に従事していることです。

なお、専任の取引主任者はその事務所で働く従業員数の一定数以上の割合で設置しなければなりません。

この一定数については、省令で定められています。現在は宅建業を営むひとつの事務所において、業務に従事する5名に1名が専任の取引主任者でなければならないとされています。

 

※専任の取引主任者の注意点

専任の取引主任者に就任する人は、取引主任者資格登録簿に勤務先名が登録されていない状態であることが必要になります。以前の会社を退職しても自動的に取引主任者資格登録簿の勤務先は消えないので注意してください。他の会社で登録が残ったままになっていないかを確認してください。

 

 

●欠格事由に該当しない

 

宅建業免許を受けようとする者が「欠格事由」に該当する場合や、免許申請書・その添付書類の中に重要な事項について虚偽の記載があり、もしくは重要な事実の記載が欠けている場合は、免許申請をしても拒否されてしまいます。

 

欠格事由

・免許不正取得、情状が特に重い不正不当行為又は業務停止処分違反をして免許を取り消された場合

・免許不正取得、情状が特に重い不正不当行為又は業務停止処分違反をした疑いがあるとして聴聞の公示をされた後、廃業等の届出を行った場合

・宅建業法もしくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反したことにより、罰金刑以上の刑に処せられたか、それ以外の法律によ り禁固刑以上の刑に処せられたことがある場合は、その刑の執行が終わった、又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない場合

・免許の申請前5年以内に宅地建物取引業に関して不正又は著しく不当な行為をした場合

 

 

その他、以下に当てはまる場合も同じです。

 

・成年被後見人、被保佐人又は破産手続開始決定を受けている場合

・宅地建物取引業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな場合

・事務所に専任の取引主任者を設置していない場合